大会長挨拶


 第5回関東甲信越アルコール関連問題学会新潟大会開催にあたり、ご挨拶申し上げます。

 本学会は平成29年に日本アルコール関連問題学会の地方会としてスタートし、埼玉県で第1回を開催し、東京都、神奈川県、千葉県での開催を経て、今回は新潟県での開催となりました。計画当初は実地開催として準備を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が継続し、先が見通せない状況のため、誠に残念ですが千葉大会と同様にオンライン開催とさせていただくことといたしました。

 当院はアルコール依存症の組織的治療を開始してから今年で50年目を迎え、新潟県内で唯一、アルコール専門病棟を持つ病院でございます。令和元年には新潟県からアルコール健康障害に係る専門医療機関並びに治療拠点機関に指定され、より専門性の高い医療の提供に努めるとともに、県内の中心的役割を果たすべく、日々取り組んでおります。
 このようにアルコール依存症の治療に長年携わっていますが、患者さんが自らの病気を認めることの難しさに悩んできました。あまりに多くの誤解と偏見により、自分は違うと考えてしまう。結果として重症になるまで治療に結びつくことができない。何とか病院に来ても否認の機制を打ち破るために多くのエネルギーが費やされてしまう。また、医療関係者の理解も不十分で、依存症として早めに紹介してもらうことは難しいのが現状です。このようなことを改善するためにそれぞれの立場で工夫をされていると思います。今回は「誤解の解消、偏見の打破」というテーマを掲げてみました。私としてはアルコール依存症も糖尿病や高血圧と同様に生活習慣病というカテゴリーになることでまず医療関係者の誤解・偏見を減らしていくことが最初のスタートと考えています。多くの方のご経験、ご意見を聞かせていただきたいと思います。

 今回は首都圏以外で開催する初めての大会です。季節的に雪景色をご覧いただくことも含めて、新潟の特徴をお見せする大会にしたいと考えておりましたが、残念ながらオンライン開催となり、内容もコンパクトとなることを余儀なくされました。重ねて、当院におきまして学会を運営することは初めてであり、至らぬ点も多々あるかと存じますが、当院スタッフ一同、精一杯努めてまいりますので、皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。          

令和3年11月吉日
                                関東甲信越アルコール関連問題                                   第5回大会長 若穂囲 徹
                                (医療法人恵松会 河渡病院 院長)














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