大会長挨拶
第8回関東甲信越アルコール関連問題学会山梨大会 大会長
公益財団法人住吉偕成会住吉病院理事 大河原昌夫
2018年、埼玉県川越市で開かれた第1回大会が遠くに感じられるほど、この大会も伝統を持つようになった。幸い、各都県を巡回し、実績も重ねてきた。
山梨県には県立北病院と、当・住吉病院が長くアルコール関連問題疾患の治療に経験を重ね、多くの回復者を送り出す幸運を維持してきた。
私自身もこの地で診療を始めて27年が過ぎた。学会開催の余裕がないままに過ぎてきたが、せめて1回はこれまでお世話になった方々への感謝を含め、大会を主催する運びとなった。
昨年盛況であった八王子大会に続き、対面で開催できるのは大きな喜びである。
幸いなことに山梨県立北病院、山梨県精神保健センター、山梨県精神保健部、山梨県立大学などの御協力が得られ、プログラム委員会の討議を重ねた末に、充実したプログラムができたのではないかと考えている。
大会テーマは「アディクション医療を愉しむ」とした。薬物依存、ギャンブル依存、摂食障害などはアルコール依存の近くにある疾患であることは知られてきた。当院のアルコールセンターでも、そのような近縁疾患の方々を多数引き受けてきた。
それらの共通点の一つは仲間の存在の重要性ではないだろうか。隠されたトラウマの重要性は共通の話題となりつつある。
アディクションの医療には、医療者が彼ら彼女たちの回復を共に「愉しむ」姿勢が何よりもの回復援助ではないだろうか。私が勤務する住吉病院は幸にしてその伝統が引き継がれ、アディクション医療を遠くに見るのではなく、共に回復を愉しむ姿勢を維持できている。
このような方針のもと、多くの演者が来県を承諾され、当学会に迎えることができるのは心よりの感謝である。
どうぞ、多くの方々のご参加をお願いしたい。